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楽しい遊び
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平成22年度 研究報告書
平成22年度 2歳児・つばめ組 研究発表
テーマ 『運動遊び』
 
◎はじめに
 
 1歳児クラスから少しずつ運動遊びなどに取り組んで、体力作りの基盤を作ってきた事もあり、幅広い次の成長へ繋げ ていくという目標を持って、運動遊びをテーマに一年間行っていくことにしました。(運動器具は、主に鉄棒・平均台・跳び箱・フープを用いる)

 また、子どもたちが無理のない活動の中で、自分で自分の力に気付き自己開発していけるよう気をつけました。
 
【平均台】
  当初の子どもたちの様子 取り組んだ活動 活動内容 備 考


渡れない子も多い
横歩きの状態
大人への補助を求める



散歩での様々な探索にチャレンジする
(砂利道、坂道、塀)
本物の器具に触れる活動を取り入れる





不安定な場所を実際に歩き、恐怖
や達成感を十分に体験し、身体の感覚・バランスを覚える
自然と体力がつく



前を向いて進む
足を交互にだして進む
大人の補助を求めない
両手(全身)を使いバランスをとろうとする



本物の運動器具を活動に取り入れる機会を増やす
年長児が体育遊びをする様子を見られる機会を作る



運動器具を使う時のルールを知る
年長児と同じものを使い、遊べることを喜び、自信へつなげる
 
【跳び箱】
  当初の子どもたちの様子 取り組んだ活動 活動内容 備 考





登る時、降りる時に、大人の補助を求める
跳び箱上から、しゃがんだ状態での ジャンプ着地時、臀部や手を着く
自然と体力がつく



散歩での様々な探索にチャレンジする(砂利道、坂道、塀)
全身を使い、体操やリズム遊びを楽しむ




高い場所からのジャンプや、登る気持ちよさを感じながら、バランス力や足腰の力を育む
活動を楽しみながら、柔軟な身体作り




手をつかずに着地しようとする
跳び箱上から、立った状態でジャンプ
自分で着地地点を決める


リトミック
タンバリンの活用(ジャンプ時)



音やリズムに合わせた、反射力と集中力を伸ばす
見たものを体現する。イメージの 実現(表現力の豊かさ)
 
【鉄棒】
  当初の子どもたちの様子 取り組んだ活動 活動内容 備 考



ぶら下がることができない(足をあげられない)5本の指を揃えて棒を掴む




握力や手先の動きの活性化につながる知育教材
掴む、握る等の遊び(わらべ唄や砂場遊び)

遊びながら、握る、掴む等の感覚を覚える


棒を持って、ぶら下がる足を持ち上げ、自分の身体を揺らす

おさるのかごや等の遊びや簡単なゲーム

自分の身体を支える力、感覚を知る
 
【フープ】 ※地面に沿って据え置き状態で使用
  当初の子どもたちの様子 取り組んだ活動 活動内容 備 考



直径60pの小フープを使用
フープからフープへ片足 づつ移動

フープを使用し、ごっこ遊びや陣地取りの遊びを取り入れる

真似や、遊びを通して足を上げたり跨いだり、飛び越えたりする動きを知る

直径80pの大フープを地面に並べて、両足でジャンプ移動する

サーキットや運動遊びの中に取り入れる




着地の目標まで、足(両足)をしっかりとあげられる
2〜3回連続して、ジャンプできる
 
 活動内容や準備物を少しずつ変化、増減していくことで、子ども一人ひとりの成長を日々より正確に把握でき、それが無理のない個々のステップアップへつなげることができた。
 取り組んだ活動については、まず子どもたちが楽しみながら、繰り返し取り組めるよう「提示の範囲」「提示の充実」(大人が先にやって見せる)に配慮し、子どもの積極性へつながる声かけ、励ましをする。同時に教具の使い方や基本的なルールははっきりと伝えていく。
 こういった活動の中で、子どもたちの心身のエネルギーが成長に応じて、発揮できていたようにもみられた。

 後期に入ると、年長児の姿を見て刺激をうけ、やってみたいという自発的活動に繋がりやすかったことや生活への参加(お当番や大人のお手伝い)にも意欲的な子どもたちの様子から、運動遊びで育まれた上半身・下半身・バランス力が生活面においても影響しているように見える。

 また、好きな遊びを見つけて集中することや、新しいことを知ることが楽しいということを知るための基盤の部分が、乳幼児期における、普段の生活や遊びから育まれる重要性も改めて感じられた。
 特別なことや、準備をしたのではなく、おおぞら保育園の園生活を楽しむ活動や遊びの中で、「運動遊び」という視点から継続して子どもたちの姿を見ることで、より個々の成長に沿った援助や提示ができたように思う。

 「運動遊び」と「生活への参加」(毎日の生活)を通して、乳児期から幼児期へと少しずつ成長する子どもたちに関わる難しさとこまかな連携の重要性を改めて現場の保育から学べました。引き続き、園児たちが自発的に学び自己開発できる環境づくり、保育に励んでいきたいです。