HOM ≫研究発表・H21≪あひる・0歳児≫
楽しい遊び
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はじめに
4月当初の子ども達は、初めて出会う人、初めての部屋のにおいや音など、環境の違いを感じ不安をもっていました。1・2歳児のように「ママがいい」などと伝えることができず、泣いて訴えることしかできない0歳児の子ども達。子ども達の要求をくみとるのが難しい時期ですが、私達は、一人ひとりと向き合い、お気に入りのだっこの仕方や、声かけ、触れ合い方など、その子の声・眼差し・表情・仕草などをよく見て、それぞれの気持ちに寄り添い、要求に答えられるよう努力してきました。
中でも、信頼関係を築くため、歌あそび・触れ合いあそび・手あそびを取り入れて、スキンシップをはかることを心がけました。 たとえば、オムツ替えやお着替えの時にも歌を歌い、安心感を誘います。そのように同じことを繰り返すことで、オムツを替える時は、楽しいことが待っているという期待感を持てるようにしたのです。
また、慣れてきた頃には歌いながらくすぐったり、足を曲げ伸ばししたり、お腹をさすったり、皮膚刺激を加えてより一層、楽しいオムツ替えタイムになるようにと取り組んできました。 以下に、日常の何気ない場面で取り入れてきた事例と、歌あそび・触れ合いあそび・手あそびを紹介します。
 
平成21年度研究記録・・・
平成21年度 あひる組・0歳児 研究発表
テーマ 『ふれあい・歌あそび』
●主な実施内容と子どもの様子●
○4月当初から、特に『ふっふっふー』『ゆれて』の曲を流し、子ども達に歌いかけると、こちらを興味深く見つめながら、耳を傾ける姿が見られる。
特にこの2曲を保育の中で多く取り入れていく。

○歌遊びの時間だけでなく、生活のなかでも取り入れていくと、自然と子ども達が落ち着く。
 (食事前・・・おなかがすいてぐずいている時に歌うと気がまぎれる)
 (寝る前・・・こもり歌代りに歌うと安心して眠りにつく)
 (オムツ替え・・・嫌がる時に歌うと気持ちが変わる)   など

○少しずつ、リズムにのって体を揺らしたり、手をたたいたりしながら、楽しんだり、保育士の仕草や表情、言葉を真似て楽しむようになる。
後半になると子ども達同士で手をつなぎ、リズムに合わせて揺れている姿も見られる。
 
●子どもが喜ぶ布を用いての遊び方●
歌に合わせてゆりかごごっこ(子どもを布にのせて優しく揺らす)
歌に合わせて風遊び(布をなびかせて風をふかす)

○後半になると歌がはじまると子ども達が自ら布を持ってくる姿が見られるようになる。
●家庭と園とのつながり●
○園での遊びや子どもの様子を保護者の方に連絡帳やクラスだより、お迎え時に積極的に伝えるようにする。
「お家でもやってみました、とても喜んでいました」との声が聞かれた。
ふれあい・歌遊びは家庭でも手軽にできるので、保護者の方に伝えることで家庭での子どもとの関わりやふれあいが広がることにもつながる。
園と保護者の方とのコミュニケーションにつながり、発見や喜びを共有することができた。

○ふれあい・歌遊びは大人と子ども、または子ども同士で、楽しいやりとり、スキンシップがとれ、赤ちゃんクラスであっても、一体感が生まれみんなで同じ遊びを通して楽しさを共有できることがわかった。
また、その時期にあった子どもが安らぎ、心地よいと感じる音楽を選ぶことの大切さを実感した。
●主なふれあい・歌あそび●
4・5月   ・いないいないばー遊び
・ふっふっふー
  ・ちっちここへとまれ
・ゆれて
6・7月   ・おふねが
・いっぽんばし
  ・かえるのうた
・へそダンス
8・9月   ・だんごだんご
・あがりめさがりめ
  ・おうまさんのおけいこ
・いもむし
10・11月   ・大きな栗の木の下で
・とっちんかっちん
  ・貨物列車
・ちょっちちょっちあわわ
12・1月   ・だるまさん
・おにぎりつくろう
  ・このこどこのこ
・なべなべ
2・3月   ・ひらいたひらいた
・ぎっこんばっこんひけば
  ・かごめかごめ
・ちびすけどっこい
おわりに
一年が経ち、歌あそび・触れ合いあそび・手遊びを喜ぶようになり、リズムに合わせて体を動かし、子ども達なりの歌声も聞かれるようになりました。
保育士が歌いだすと、子ども達が集まってくるようにもなりました。
 歌うことで、私達が気をつけたことは、『保育士自身がゆったりとした気持ちで楽しく取り組む』ことです。子ども達は保育士の顔や態度をいつも見ているので、私達も子ども達と共に、穏やかな時間を楽しみました。
一年を通し、緊張している子ども達の心を解きほぐすには、保育士の笑顔と、スキンシップを添えた、歌遊び・触れ合いあそび・手あそびが大活躍したことは事実です。歌は、子ども達との信頼関係を築き、安心できる環境を提供できたと思われます。
また、「歌」を好きになる入口をつくり、豊かな感性が育まれ・すばらしい集団に育っていく原点になったといっても過言ではないかと思われます。

この世に誕生してから、わずか数カ月で集団生活を経験する子ども達です。そんな子ども達が、一日の大半を保育園で過ごすのですから、家庭以上に居心地の良い場所でなくてはなりません。ゆえに0歳児保育はとても重要なのです。今後も保育士としての質の向上を目指して、よりよい保育に取り組んでいこうと思います。