HOM ≫研究発表・H21≪はと・5歳児≫
楽しい遊び
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平成21年度研究記録・・・
今年度より、『フェアリーキッズ』の活動が始まったことをきっかけに、自然の中で子ども達がどのように感じて、活動を展開していくか興味深いものがありこのテーマを選びました。
一年間の活動をもとに、子どもたち自身が感じ取っていった姿をテーマごとにまとめました。
平成21年度 はと組・5歳児 研究発表
テーマ 『五感をひらこう』
●ふれる●
自分の手や、足を使って触れて確かめる…。
葉っぱを触る、木の実を触る、虫を触る、木を触る、土を触る、水を触る…など“ふれる”ことによって、“ザラザラ (サラサラ)している”“プニプニしている”“ かったー(硬い) ”“つるつるする”などそれぞれが自分が感じたままの言葉で表現すると共に、次の遊びへの発想もここから刺激され繋がっていた。
(例) 落ち葉をさわる→たくさん触る→落ち葉で寝てみたい→落ち葉のベッド遊び
木を触る→木肌を感じる→登ってみたい→木登り
●きく●
大きな音、小さな音、椅麗な音、うるさい音など自然体験の中でたくさんの音を感じることができた。「何の虫の声かな」「とりの音かな」「風の音がきこえる」「海の音がする」「葉っぱの音」など
保育者も共感することで自分達からいろいろな音を感じとるようになり、音遊びを楽しむ姿もみられた。
●かぐ●
いいにおい、嗅ぐ、すっぱいにおい…など嗅覚をつかって様々な体験をしてきた。記憶と結びつきやすいといわれている嗅覚。子ども達の香の記憶はその嗅覚を使って「キンモクセイっていいにおい」など、木の実や花、葉っぱ、土などの匂いを嗅ぐことによって、今まで知らなかった『におい』と出会うことで癒されたり、びっくりしたり、また、たくさんの発見ができた。
   
●みる●
五感のなかでも、一番使われるという視覚。ただ、『みる』だけではなく『みる』ことで感じたり、考えたりなど感性とつながった経験になった。
その中でも、"お家作り"は一本の木を発見したことから始まり、みんなで知恵を出し合い「この木は椅子にしようよ」など多くの発想を生み出すことができ、子ども達の活動への “自分達だけでもできる”という自信と意欲に繋がっていくきっかけともなった。
また、虫や葉っぱや木の実をルーペを使って観察したり、スケッチ活動をしたり、最終には、自分達で見つけた葉っぱや木の実を図鑑で調べ、画用紙に貼って名前を書き手作り図鑑を作った。
   
●あじわう●
幼児期の『味わい』の経験はその人の人生の味覚を左右するほど大切だといわれている。フェアリーキッズの中でも季節ごとの木の実と出会い自然の味を満喫することができた。普段の生活では、直接自然のものを味わう経験が少ない子ども達にとっては夢中で実を探し、もぎ取っては口の中に入れ、酸っぱさや甘さなどを感じながら『あじわい』をたくさん感じることができた。
(例)…ヤマモモ・グミの実・ザクロ
●まとめ●
『ふれる』『きく』『かぐ』『みる』『あじわう』の五感をフルに活用しながら、自然を全身で感じとることができたフェアリーキッズは子ども達の感性をさらに引き伸ばす一番の方法だと思いました。また、五感一つひとつに意味があり子ども達の好奇心を大いにくすぐるこの総合活動の奥深さを子ども達と一緒に活動する中で私達自身も感じさせて頂きました。
現在テレビなどから楽に情報を入れていることが多く、実体験を伴わない経験は脳を活発に使われないため将来的に子ども達はその情報を有効に使うことが出来ないといわれています。実物を触ったり、その目で見たりという経験をすることで脳が活発に活動し、この実体験こそが将来の子ども達の創造性を育てているということを、同じ視線で活動するなかで「酸っぱいね」「おもしろい形だね」「柔らかいね」などのことばをかけることでコミュニケーションや創造性を伸ばしていける活動になることに気付かされました。
また、行動面でも子ども達の力が大いに発揮することができ、普段は控えめな子も木登りや森の探検など積極的に自分から行動していく姿は思っていた以上に驚かされ、刺激を受けたことによって、自然の活動だけではなく普段の生活の中でも『自分』というものを出せるようになってきました。
これからも、『五感を経験させる』のではなく『五感を経験する』ことを心がけ、子ども達と一緒に発見したり共感したりしながら一人ひとりの感性を伸ばしていけるような保育ができるよう考えていきたいと思いました。