HOM ≫研究発表・H21≪ひばり・3歳児≫
楽しい遊び
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平成21年度研究記録・・・
各クラスで保育研究課題を決めて、4月当初から保育活動を進めきました。子ども達の成長記録です。
ひばり組・・・・泥んこ遊び
平成21年度 ひばり組・3歳児 研究発表
テーマ 『泥だんご』
●前期●
○子どもの姿
保育士が水を使い、泥だんごづくりの準備をし始めると、女児を中心に興味を示した子どもが集まり、砂と水を混ぜる(写真-1)。
しかし、全く興味を示さない子どもも中にはおり、別の遊びを行う。
   
  (写真-1)  
また、初めは上手く丸めることが出来ず思い通りの形にはならないが、だんごづくりの雰囲気を楽しんでいる(写真-2)。
中には、泥だんごづくりをせずに、単に泥遊びを楽しむ子もいる(写真-3)。
 
(写真-2)   (写真-3)
○保育士の配慮
泥だんごづくりへの興味を皆が抱けるように、子どもたちを集め砂に水を混ぜる様子を見せる。中には、興味を示さずに別の遊びを始める子もいるが、無理に泥だんごづくりを強要するようなことはせず、自然と興味を抱けるよう、泥だんごづくりの様子を適宜伝えるなどして楽しみを共有できるよう配慮する。
●中期●
○子どもの姿
回を重ねるごとに多くの子どもたちが、興味を示すようになり、集団として泥だんごづくりを楽しめるようになってきた(写真-4)。
また、丸めた泥にさら砂(目の細かい砂)をかけ、さらに丈夫な泥だんごを作るために工夫する姿も見られるようになってきた。
   
(写真-4)
前期には全く興味を示さず、別の遊びをしていた子どもたちも、周囲の様子につられ、少しずつだが自分たちで作ろうという姿勢が見られてきた。(写真-5)
その中でも、未だに素手で泥に触れることを嫌がり、玩具を使って砂遊びをする子もいる(写真-6)。
 
(写真-5)   (写真-6)
○保育士の配慮
泥だんごづくりが展開していくような声かけを必要に応じて行い、自分たちで工夫し遊びを発展していけるよう促す。その中で、さら砂づくりを主に楽しむ子どもも出てきたため、各々の特性を生かし、協力して一つのものを作りあげられるよう援助する。
●後期●
○子どもの姿
一つの遊びを複数人で共有する楽しみを知った事により、今まで個々で取り組んでいた泥だんごづくりを、他児と協力して楽しめるようになってきた。また、丸める役・さら砂を作る役など、各々で役割を分担し遊ぶ姿もみられる(写真-7)。
出来た団子は子ども同士で見せ合ったり、保育士に見せたりするなどして出来た喜びを十分に共感できていた。
   
(写真-7)
中期の時点で、砂を素手で触ろうとしなかった子も、保育士や他児に作ってもらった団子を手にし、続きを作ろうとする姿が見られた。
気の合う友達と長時間集中して泥だんごづくりに取り組み、一つの団子を納得するまで作り込む事が出来るようになり、硬くてきれいな団子を作り上げられるようになった。(写真-7)
○保育士の配慮
泥だんごづくりだけではなく、それを取り巻く様々な遊びにまで目を向け、各々の興味、特性を引き出していく。また、納得のいくまで遊び込めるよう、適宜声かけなどを行い、最後まで意欲的に取り組めるようにする。
●まとめ●
一年を通して、泥だんご作りに取り組む事により、単にきれいな泥だんごを作り上げることだけでなく、下記に述べるような身体面・精神面において様々な発達が見られた。
・指先の発達… 壊れやすい泥を使用することにより、慎重な物の扱いが身に付き、物を大切にする心が育まれた。
・集中力の持続… 決められた遊び方のない泥だんごづくりを意欲的に取り組むことにより、自然と集中力が身に付いた。
・役割分担… 自分のしたい遊びを自発的に取り組むことにより、自然と各自の役割に気づき身に付いた。
・仲間意識の向上… 一つの遊びを他児と共有することにより、一人の遊びでは味わえない達成感や、喜びを感じられるようになった。
・豊かな想像性の発達… イメージしたものを自由に作り、それが目に見える形として残るため、次の遊びへの意欲が湧き、また遊びたいという気持ちが芽生える。