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令和元年度 研究記録・・・
令和元年度 ひよこ組・1歳児 研究発表
テーマ『手指を使った遊び』
〇はじめに
ハイハイから歩行へと発達した1歳児にとって探索活動や様々な素材に触れながらの手指の遊びはとても魅力的な物で、手指の発達だけでなく生活面の発達・意欲の高まりにも繋がると考え、一人ひとりの発達に応じた遊びの提供とその成長の変化を観察したいと思い『手指を使った遊び』をテーマに選んだ。


<取り組んだ内容と子どもの様子・変化>
≪T期≫
○4月 タンポ・いしころーる・チェーン落とし
 
*タンポ
最初は“これ何だろう”とタンポを見つめていたが、保育教諭が見本を見せると同じ様に真似をしてタンポを持ち、画用紙に押し当てて色が付くと不思議そうに見つめ、触って、何度も押し当て色を付けて遊んでいた。様々な色の絵の具に自らタンポを付け、 色を変えて遊ぶ姿が見られた。“触りたい”いう気持ちも強く意欲的に取り組んでいた。
たんぽを上から掴むように持つ子どもと横から握る様に持つ子どもがいたが、どちらでも自分でしっかりと押す事が出来ていた。 片手で画用紙を持ちながらタンポを押す姿も見られた。

*いしころーる
様々な色のいしころーるに興味を持ち、描くという事よりも触って眺めてみたり、いくつも集めて楽しむ姿が多く見られた。保育教諭の見本を見ると、すぐにいしころーるを握ってぐるぐると動かして画用紙に描きだす子どももいれば、トントンと画用紙 にいしころーるを当てて音も楽しみながら点々と色を付ける子ども、描かずにいしころーるを集めて並べたり重ねたり、握る感触を楽しむ子どもと様々な姿が見られた。握って持つ事は出来るが、力を入れて描くのは難しく画用紙にしっかりと色を付けて遊ぶ子 どもは少なかった。中には、画用紙に少し色が付くと「できたー」と満足し、すぐに飽きて立ち歩く子どももいたが、ほとんどの子どもは夢中になって楽しんでいた。

*チェーン落とし
長いチェーンを持ってゆらゆらと揺らしたり、たくさん集めてフタの空いている容器に入れて遊んでいた。保育教諭が遊び方を伝えると容器の小さな穴に入れようとするが、力づくで押し込もうとしたり上手く出来ないと保育教諭に一緒にやろうと訴える姿も見られた。慣れてくると、少しずつゆっくり穴の中に自分で チェーンを入れたり、両手を使って上手に入れて遊んでいた。容器がいっぱいになると自分でフタを開けてチェーンを出したり、保育教諭に出してと伝える姿も見られた。高月齢児の中でも4月から入園した子どもには難しいが、低月齢児でも昨年から園でチェーン落としをしてきた子どもはチェーンを入れる事が出来た。月齢差・個人差だけでなく、それまでの環境や遊びの経験も大きく影響するのだと感じた。
〇5月 小麦粉粘土・型はめパズル・ビーズコースター
 
*小麦粉粘土
保育教諭が小麦粉と水を混ぜ粘土を作る工程を真剣な眼差しで見つめ興味を示していた。小麦粉粘土が完成するとじっと見つめたり、恐る恐るツンツンと触ったり、ギュッと押してみたりと不思議そうに感触を確かめていた。
最初は触るのを躊躇する子どももいたが、少しずつ感触に慣れてくると、粘土を握って形を変えたり、引っ張って伸ばしてみたり、小さくバラバラにちぎったり、叩いて平らにしたりと様々な遊び方で楽しむ事が出来た。中にはすぐに飽きて席を立つ子どももいたが、ほとんどの子どもは最後まで集中して遊んでいた。
「にょろにょろ」と動物などに見立てて遊ぶ姿も見られた。「きらきらつくって」「おばけつくって」と保育教諭に伝える子どももいた。
*型はめパズル
動物や果物のパズルは合わせるのが難しく、丸・三角・四角などの簡単な形の型はめを行う。持ち手を握り、型から次々に外して楽しみ、形に合わせてはめることも出来ていた。型に合わせるのが難しい子どもは保育教諭が手を添えながら型に合わせて一緒にはめると笑顔で喜び、自分でもしようとする姿が見られた。真剣な表情で色々な型の上に乗せて、はめようとしたり、くるくる回し向きを合わせて型にはめられる子どももいる。また、「どこ?」と保育教諭に聞いて進める子どももいた。

*ビーズコースター
保育教諭が見本をしなくても、自らビーズを摘まんで自由に動かし、集中して遊ぶ姿が見られた。玩具を持って傾け、ビーズの動きを見て楽しんだり、一か所にビーズを集めたり、ビーズをくるくると回したりと様々な遊び方で楽しんでいた。形の違う様々なビーズコースターを他児と交換しながら、指先を器用に使い真剣な表情で遊んでいた。親指と人差し指だけでなく5本の指を使ってビーズを掴む子が多かった。
〇6月 広告遊び・シール貼り・いしころーる
 
*広告遊び
新聞紙を手渡されると保育教諭の見本を見て早速ぐしゃぐしゃと丸めたり、指先を使って大きな広告をビリビリと破いて豪快に遊ぶ。中には上手く破く事が出来ず、保育教諭に“破いて”と持って来る子どももいた。保育教諭が少し切れ目を入れて手渡すと、両側に引っ張り破く事が出来た。「ビリビリー」と言いながら破く様子も見られた。広告がたくさん集まっている所へ寝転び手足を動かしてわしゃわしゃと広告の感触を楽しんでいた。保育教諭を真似て小さく破いた広告を集めて手の平に乗せ、「ふぅ〜」と吹き、上手に飛ばして喜ぶ姿も見られた。片付けの際には小さな広告も摘まんで集める姿が見られた。

*シール貼り
シールを剥がし、手に付くと不思議そうに見つめ手を振って取ろうとしたり、手に付いたシールを摘まんで取って丸めたり、画用紙に貼ろうとするなど、様々な姿が見られた。手を添え一緒にシールを貼ると嬉しそうに眺め“もう一回”と保育教諭に訴えていた。シールを剥がそうと掴むが、上手に掴めずシールが折れて粘着面同士が引っ付き丸まってしまう子どもが多く見られた。また、シールを貼る際は指にシールが付くので引っ付かない方を画用紙に押し当てて貼ろうとする姿も多く見られた。数人は、指先を使ってシートから自分でシールを取ったり、自分で画用紙にシールをぎゅっと押し当て貼れる子どももいた。保育教諭に手伝ってもらったり、自分でもいくつもシールを貼り夢中で楽しんでいた。

*いしころーる
4月にいしころーるで遊んだ事もあり、意欲的にいしころーるを手に取り自ら画用紙に当てて色を付けようとしていた。中には、片方の手で画用紙を抑えて描く姿も見られた。力を入れて描ける子どもも増えて、しっかり色を付ける事が出来た。「きいろ」「あお」など色を言いながら自分で色を選びながらお絵描きを楽しむ姿も見られた。
また、画用紙に色が付くと保育教諭に「みてー」と見せる姿も見られた。
   
〇7月 指スタンプ・洗濯ばさみ・磁石・氷絵具
 
*指スタンプ
絵具を指に付け画用紙にスタンピングしていく。子どもたちは絵具の感触に興味を示しながら取り組んでいた。“ぽんぽん”と指スタンプをしたり、指で伸ばして線の様に描いたりと様々であったが、力強く絵具を付けていく姿が印象的であった。ほとんどの子どもが人差し指を上手に使いスタンピングする事が出来た。




*洗濯バサミ
洗濯バサミをスズランテープに挟んで遊んだ。まだ、指先で洗濯ばさみを開く事が難しく、指の力がない様子も伺えた。また洗濯バサミを取る際も、摘まんで外すのではなく引っ張って無理やり取ろうとする姿も見られた。1人で挟める子どもは2〜3人ほどで、それぞれ黙々と取り組み集中して遊んでいた。




*磁石遊び
ひよこ組では初めての磁石遊びで、子どもたちも興味を持ち遊んでいた。四角や三角などは難しいが、三角を見て「おにぎり」と言ったり、「まる〜」と丸の形は理解していた。磁石は引っ付く為、形が作りやすく、立体的な形を作って楽しむ子どもたちだった。また、並べるだけでも楽しい様で、四角ばかりをずらっと並べる姿も見られた。平面の磁石をホワイトボードに貼っていく際は、貼った物を指先で取るのが難しそうにしていた。平面の磁石では丸・三角・四角の形で楽しむというよりは磁石で引っ付くのを貼って楽しむという様子だった。




*氷絵具遊び(うちわ製作)
【氷絵具…製氷容器に絵具を溶いた色水を入れる。持ちやすい様に割り箸も一緒に固める。危なくない様にタオルで包む】氷には直接触る事はないが、冷たい氷を目の前に興味津々で保育教諭の話を聞く子どもたちだった。持ち方はそれぞれ違い、横から握る子どもや指先で上から持つ子どもなどとそれぞれ持ちやすい持ち方で描いていた。氷が解けていくと色も濃く出てきてダイナミックに描く姿が見られた。氷は画用紙の上で滑りやすく、スライドさせながら描いたり、スタンプの様に押して色を付けていく姿も見られた。途中からは、色が混ざり変化する事を発見し喜んでいた。いしころーるでは筆圧が弱くて薄くしか描けない子どもも、しっかり色が出る氷絵具はより集中し取り組む事が出来た。
≪U期≫
〇 8月 段ボールスタンプ・型はめパズル

*段ボールスタンプ
丸・三角・星型など様々なスタンプを用意し、絵具も色々な色を用意した。子どもたちは握って持ち、好きな形を選んでスタンピングした。星型は喜び何度も押すが、丸などに比べて形が出にくく、綺麗に星型が出た時には嬉しそうな様子だった。

※反省:均等に力を入れる事が難しい子どもたちにとって、段ボールが少し長すぎた。力を入れて押さないと形が出ないので、手指の力が必要で、色がつきにくく薄くなってしまった。



*型はめパズル
パズルなど知育遊びの際は少人数ずつ集中して取り組むが、他児がしている物が気になり取ってしまうなどトラブルになる姿もあった。
机の配置や座る場所、玩具の置き方に配慮し子どもたちが落ち着いて遊べる様な雰囲気作りを心掛けた。
パズルは丸や四角などの単純な形から、動物などの複雑な形まで月齢に合わせて用意した。単純な物はどの向きでも当てはまるため、子どもたちも出来た喜びを感じ、何度も繰り返し遊んでいた。三角は角が上に来る様に置かないとはまらないので少し苦戦していた。
動物のパズルは、当てはめると同時に「わんわん」「うさぎさん」など言葉で表しながら楽しむ姿が見られたが、数名は興味を持って取り組むことが難しく、すぐに止めてしまう姿が見られた。
〇9月 広告遊び(丸める)・ペッタンブロック
 
*広告遊び(丸める)
“まぁるくなぁれ”という絵本を見た後、子どもたちが丸めやすい様にA4サイズに切った広告を丸めた。丸めるというのは初めてだったが、「まぁるくなぁれ、まぁるくなぁれ」と皆で言いながら保育教諭の真似をして丸めていった。
ぎゅっぎゅと力を入れながら固く丸めようとするが、なかなか難しく広告が広がっていき苦戦している様子が見られた。
指先を曲げて丸めるというよりは、手の平で押して潰すとことが多かった。「やって〜」という子どももいたが、黙々と丸める事に挑戦する姿も見られそれぞれが集中して遊んでいた。丸めた広告をボールの様に片手で掴んでカゴに集めて遊ぶ事も楽しんでいた。



*ペッタンブロック
ペッタンブロックを握り壁に貼り付け楽しむ。すぐに取れてこない様に強く押し付ける事が出来る子どもや、強く出来ずに興味があまりない子どもは違う遊びへと変わっていき個人差が見られた。ペッタンブロック同士を引っ付ける事や、長く長く繋げる事もしていた。出来ない時は保育教諭に手伝ってもらっていた。
〇10月 小麦粉粘土・洗濯バサミ
 
*小麦粉粘土
回数を重ねた事により以前よりは小麦粉粘土遊びに喜んで取り組む。月齢によって指先の動きは異なり、高月齢児は丸めたり細長く伸ばす事が出来るが、低月齢児はちぎる行為が多く見られた。パン・蛇など何かに見立てて遊ぶ姿も見られる様になった。集中して取り組む子もいれば、すぐに飽きてしまい立ち歩いたり違う遊びに移る子どももおり様々だった。

*洗濯バサミ
回数を重ね、指先も成長と共に器用になり指で挟める様になってきた。個人差はあるが一人で紙皿の周りに全部挟める様になった子どももいた。洗濯バサミの固さによって「できない」と言ったり、取り合いをする姿もあり興味がある子どもが多く見られた。1対1で取り組むと出来る子どももいた。色にも興味があり「ピンク」「きいろ」と言いながら取り組んでいたが低月齢児は興味が見られなかった。

洗濯バサミの固さによって「できない」と言ったり、取り合いをする姿もあり興味がある子どもが多く見られた。1対1で取り組むと出来る子どももいた。色にも興味があり「ピンク」「きいろ」と言いながら取り組んでいたが低月齢児は興味が見られなかった。
〇11月 紐通し・型はめパズル・小麦粉粘土
 
*紐通し・型はめパズル
紐通しでは、紐と穴の開いた布を片手ずつに持つため両手を同時に使う事を難しそうにする姿が見られた。また紐も細く、指で持っても不安定なため穴に通すというのがなかなか出来ず「できない」「むずかしい」とすぐに止めてしまう子どもも多かった。穴に紐を通す事は出来ても、出て来た紐を持ち直して引っ張るというのが難しく、やり方を伝えながら一緒に行うと自分でも頑張ろうと取り組む姿が見られた。型はめパズルでは、出来ると嬉しい様子で完成させてはもう一度挑戦するなど、自信を持って取り組む姿も多く見られ、集中して座る時間も長くなる。

*小麦粉粘土(祖父母参観)
祖父母の方も一緒という事でいつも以上に遊びが広がり、一緒に丸めたり、食べ物を作ったりと集中して遊んでいた。小さくちぎる、平たく伸ばすなど指先や手の平を使って思い思いに形にしていく事が出来た。個々に遊び方も違い、細長く伸ばす、手の平で丸めるのは難しそうにする姿もあったが、祖父母や保育教諭の作っているのを見て同じように作ってみようとする姿もみられた。途中で飽きる事なく、時間が来るまで集中して遊ぶ姿に成長を感じた。
《V期》
〇12月 いしころーる・シール貼り・広告遊び(折る)
 
*いしころーる(クリスマス製作)
いしころーるを使って画用紙に模様を描く。コーナー遊びなどでもいしころーるを取り入れ、筆圧は回数を増すごとに強くなり、毎回成長を感じる。手の平全体でいしころーるを握るのではなく、指先でしっかり持つ子どもが増えてきた。いしころーるの角を使って力強く描く事が出来、高月齢児は「〇〇描く」と描きたい物を保育教諭に伝えて描く姿も見られる様になった。

*シール貼り(クリスマス製作)
シール貼りでは、部屋に飾っていた本物のリースを見て、シールで飾り付けるイメージが出来る様にした。大きい丸シールや小さい丸シールを用意して月齢に応じてシール貼りを楽しんだ。以前にシール貼りを行った事もあり大きいシールはスムーズに剥がしていた。小さいシールは剥がしても指先に付いてしまい、粘着部分が上になったまま貼ろうとする姿も見られた。シールを貼っていく中で、適当に付けるのではなく、並べて貼ったり、同じ色のシールを同じ場所に貼ったりする子どももいた。子どもたちなりに考えており貼っている事がよく分かった。低月齢児は、指先が細かく動かせずシールが折れてしまい、なかなか貼れない姿もあったが、「できない」と言う事は全くなく最後まで取り組む姿に成長を感じた。

*広告遊び(折る)
“折る”という事に初めて挑戦した。遊ぶ前に今日は破ったり、丸めたりせずに「広告を折って遊ぶよ」という事を伝え見本を見せた。子どもたちはよく話を聞いており、広告を手に取ると折ってみようと取り組む姿が見られ破る子はほとんどいなかった。 しかし、折る事は難しく一人で出来る子どももいたが、ほとんどの子どもは保育教諭と一緒に行う。子どもたちにとって両端を揃えるという事は難しく、「できないからやって」という姿も見ら れた。「折った後は手の平でアイロンを掛けようね」と伝えると、 小さな手の平を使い真っ直ぐに伸ばそうとしていた。
折った広告をおにぎりや電話・しっぽに見立てて遊ぶ姿も見られた。
〇1月 いしころーる・シール貼り
 
*いしころーる(鬼のお面製作)
いしころーるを選ぶ時に色にも興味を持ち、「あお」「あか」と色を言いながら選んでいる姿もあるが、まだ色を把握するのが難しい子どももいる。

鬼の髪の毛の様に「ぐるぐる描いてみようか」と伝えると、ぐるぐると丸を描いて取り組む子どももいた。以前、低月齢児はいしころーるを何個も取ってしまう子どももいたが、今回は一つずつ使う事が出来ていた。



*シール貼り(鬼のお面製作)
大きいシールはなく、小さいシールだけで行った。以前よりも指先を上手に使いシールを剥がして貼る事が出来ていた。その中でも、色にも興味を持つ様になり同じ色だけを貼る子どもや、2個の角の色を変えている子どももいた。貼り方も並べて貼った り、集合して貼るなど、個々によって個性が分かる作品となった。鬼の角の数や角の色も自分で選び取り組んでいた。低月齢児は、シールが小さく難しい時は「できない」と自分の気持ちを保育教諭に伝え、めくりやすいようにシートを持ってもらいシールをめくる事が出来た。その際は「できたー」と嬉しそうに言っていた。
 
〇2月 雛人形製作・ボタン掛け
 
*マスキングテープをちぎって貼る(雛人形製作)
マスキングテープは、初めて取り組むためかテープをちぎるという指先の動きは難しい子どもが多かった。自分でもちぎろうとはするがぐちゃぐちゃになり貼るのが難しくなっていた。少し切り込みを入れるとちぎれる子どもや「せんせいやってー」と言い、ちぎってもらったテープを貼る子ども等様々だった。

シール貼り(雛人形製作)
シール貼りでは、目と口のシールを貼った。取り組む前に目と口の位置や数の事を保育教諭が実践しながら見本と共に伝えた。話も良く聞き、理解した様子だった。そのためか取り組む時も、目を並ばせて貼る事が出来、目の下に口を貼る子どもがほとんどだった。目と口の位置が少し違うだけで個性のある表情となった。
顔も両面テープを剥がして自分たちで貼ったので首が傾いていたり寄り添っていたりと個々に違いのあるお雛様製作となった。



*ボタン掛け
知育遊びでは全体の様子を見たり子ども同士が顔を合わせながら取り組める様に円になるように机の配置を工夫した。そのため、他児が取り組んでいる知育に興味を持ち、手に取る姿も見られた。全員がボタン掛けや紐通しに自分から取り組む事が出来た。二度目は集中して取り組める様に、また他児が気にならない様な配置で行った。ボタン掛けは、集中して一人でじっくりと取り組 む出来る子どももいれば「むずかしい」と少し保育教諭の手伝いを求める子どももいるなど個々によって様々だった。ボタン掛けに興味を持つ事でパジャマのボタンを留められる様になった子どももいた。
〇3月 ボタン掛け(スモック使用)・いしころーる
 
*ボタン掛け(スモック使用)
先月に続きボタン掛けを行う。スモックを使用する事で進級への憧れや期待も見られ、より楽しんで進んで取り組む姿が見られた。人形に着せてボタンを掛ける子どもや、実際に自分で着た状態で取り組む子どももいた。正面からとは向きや見え方も違うがボタンホールにボタンを入れたり、指を入れるなど工夫しながら頑張って一人でボタンを掛ける姿が見られた。

*いしころーる(連絡帳の表紙製作)
年間を通して取り組んできたいしころーるも今年度最後の取り組みとなる。前回の鬼のお面製作でぐるぐると円を描けていたので、「○は描けるかな」と声掛けを行ってみた。すると今までのグワーッと描く勢いとは全く違う描き方でゆっくりとバランスを取りながら指先に力を入れて○を描く姿が見られるようになり9割の子が○を描くことが出来た。

〇まとめ
手指の発達を促すためには、発達の見通しを持って取り組んでいく事が大切だと感じた。
様々な遊びを行う中で、その子にとって少し頑張ったら出来るという遊びにそれぞれ集中して取り組み、自分からその玩具を選んで楽しむ姿も見られた事から、一人ひとりの発達を見極め、発達の後追いにならない様に配慮して遊びを設定する事の重要性を感じた。
また、思っていたよりも難しかったり出来なかった時に、その遊びを楽しめる様になるにはどういった遊びを提供し発達を促すのかをきちんと振り返り考える事の重要性も改めて感じた。

一年を通して上記の遊びだけでなく、日々の手遊びや園庭での砂遊びやボール遊び、コーナー遊びでのブロックや積み木などでも変化や成長が見られた。また、衣服の着脱・スプーンの持ち方や蛇口をひねる様になる、おやつのチーズの包装を引っ張ったりねじったりして自分で開けたりバナナの皮を剥いたりと生活面での成長もたくさん見られた。
1歳児を保育する上で手指の発達というのは、生活面であったり取り組む意欲だったり、様々な成長に繋がる大切な発達の1つだと肌で感じる事が出来た。
手指の発達を促す様々な遊びは1歳児の発達を考える上で大切な遊びと捉え、今後も一人ひとりの発達に合った『手指を使った遊び』を多く取り入れていきたいと考える。