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令和元年度 研究記録・・・
令和元年度 つばめ組・2歳児 研究発表
テーマ『コミュニケーション遊び』
〇はじめに
この年齢は、言葉の数が著しく増え行動や自己表現の幅が広がる年齢でもあり、他児を意識して関わり合って遊ぶようになる年齢でもある。様々なコミュニケーション遊び(集団遊び・製作遊び・ごっこ遊びなど)を通して、子ども同士での関わりをより豊かにし、更なる語彙の獲得、思いを伝える楽しさや満足感が味わえるように、子どもたちの様子を見守っていく。


<取り組んだ内容と子どもの様子・変化>
≪T期≫
○4月
 
*取り組んだ内容
・九官鳥のあいさつ(手遊び)
・むっくりくまさん(わらべうた遊び):取り組めず

*子どもの様子
・4月当初は進級児、新入園児共に新しい環境で不安定な状態であったため、進級児には 馴染みのある「だんごだんご」の手遊びで触れ合ったり、「あなたのお名前は」で一人ずつ発言する場を設けたりして、落ち着けるようにした。 ・新入園児は泣いている事が多く、保育教諭の一対一での関わりが必要となり、手遊びのやり取りではなく、膝に乗せたり、抱っこしたりと抱き寄せられる事で安心感を抱き、落ち着いて過ごせるようにした。 ・4月第1週目は朝の集いが出来るような状態ではなかったが、2週目より少しずつ落ち着き出し、新入園児も手遊びに興味を示し、少しずつやろうとする姿が見られた。 ・朝の集いが出来るようになってから、「九官鳥のあいさつ」という新しい手遊びを取り入れる。初めての手遊びにすぐに興味を示し、高月齢児を中心に真似て口ずさもうとしていた。 ・初めは、対保育教諭となっていたが、手遊びを覚えてくると対子どもでも出来るようにし、触れ合ったり、あいさつを交わしたりと他児を意識してコミュニケーションが取れるように促した。 ・新しい手遊びが子どもたちに定着するのは早く、子どもたちから「きゅうかんちょうのあいさつをやりたい」というリクエストが毎日のように上がっていた。 ・4月後半には新入園児も落ち着き、みんなで朝の集いに取り組めるようになり、手遊びや出席調べで誰がお休みかなど確認する事も出来るようになった。 ・わらべうた遊び(むっくりくまさん)も予定していたが、集団での取り組みは難しく延期する事にした。
〇5月
 
*取り組んだ内容
・粘土遊び
・小麦粉粘土遊び(参観日で行う)
・むっくりくまさん(わらべうた遊び)

*子どもの様子
・4月に一度粘土遊びをしていた事もあり、2回目の粘土遊びをする事を伝えると高月齢児は「○○つくる」と作るものを考える姿が見られ、保育教諭に「○○つくろう」と言って誘う姿が見られた。 低月齢児は言葉を発しないものの粘土遊びを楽しみに着席する姿が見られた。
低月齢児は言葉を発しないものの粘土遊びを楽しみに着席する姿が見られた。
・粘土を手にするとちぎったり丸めたりする子どもがほとんどで子どもがちぎったり丸めたりしたものを使って形にして遊べるようにした。
(例:丸をつなげてアオムシ、ちぎったものを細長くしてヘビ)
・作った物を手にすると自然と言葉が出てきて、高月齢児の机ではごっこ遊びが展開されていき、さらに必要なものを自分で作ろうとしたり、作ってほしい物を要求する姿が見られるようになる。
・低月齢児は作った物を手にするだけで中々遊びへと発展しないため、保育教諭が順に声を掛けながら関わっていく事で少しずつ言葉が出たり、手を動かして遊ぶ姿が見られるようになる。
・3回目の粘土遊びをする前に、作る物をイメージしやすいよう“ふうせん”のペープサートをしてから取り組むようにした。食べ物・動物・乗り物が出てきたため、それらを作ろうとする姿が見られた。しかし、まだまだ「つくって」とすぐに言い、自分で作ろうとしない子どもが多い。
・高月齢児を中心に自分のイメージを形に少しずつ出来るようになり粘土の遊び方に変化が見られ、子ども同士で作った物で遊び出す姿も見られた。
・低月齢児は粘土をちぎったり重ねたりするだけで物を作るのは難しいが、ちぎったり重ねたりしたものが何なのか尋ねると子どもなりに答えてくれ、そこから会話を広げて遊びへと繋げていった。
・参観日で取り組んだ小麦粉粘土では、作ってもらったもので親子でのやり取りを楽しんだり、保育教諭が尋ねると嬉しそうに見せたり教えてくれたりと様々な姿があり、親子や保育教諭とのコミュニケーションを取る事が出来た。
・4月に取り組めなかった「むっくりくまさん」を園庭で行ってみるが、はじめに集まて円になる事は出来たが、一度くまに追いかけられ逃げていくと、もう一度集まって円になることは難しく一度で終わってしまった。
 
〇6月
 
*取り組んだ内容
・むっくりくまさん(わらべうた遊び)
・探検ごっこ(園内探検)

*子どもの様子
・むっくりくまさんは、前回園庭では集中して遊ぶ事が出来なかったため室内で行い逃げる場所をままごとコーナーと決めて行う。
・手を繋いで円になる時には、積極的に手を繋ごうとする子どももいるが円の中に自分から入れない子どももいた。「入れて」と言うように促すと「いれて」「いいよ」のやり取りが子どもの中で見られ、円の中に入れてもらい手を繋ぐ事が出来た。
・他児を入れてあげるという姿を見ていた子どもの中で、まだ手を繋いでいない子どもを見かけると、繋いでいた手を離して「こっちおいで」「ここはいれるよ」と誘う姿も見られた。
・逃げる場所を決めていた事により遊びはスムーズに展開され、くまに捕まり怒ったり泣いたりする子どももいたが、逃げる事を楽しみ、すぐに「もういっかい」と手を繋ごうとしている子どももいた。
・限られたスペースで行う事でみんなで楽しむ姿が見られ、ルールも理解し繰り返し取り組む事が出来るようになった。
・くまに捕まっている子どもを見ると「○○ちゃんつかまった」「○○はにげたよ」という会話をしながら遊びを進め、楽しめるようになっていた。
・探検ごっこでは、部屋を出る前にどこへ行くか伝えると、きょとんとしている子どももいたが兄弟がいる子どもは2階の部屋へ行ける事を楽しみにする声もあった。
・部屋を出て行くと様々なものに興味を示し、キョロキョロするばかりだったが、保育教諭から子どもに話し掛けたり、何を見つけたかを尋ねると徐々に発言するようになり、子どもが見つけたものについて話したり、見て触ったりする事でやり取りが出てきた。
・一つの発見を保育教諭に共感してもらえた事で、次から次へと発見した事を発言するようになり、会話が広がっていった。
・低月齢児はまだ言葉が少なく見ているだけだった。
 
   
〇7月
 
*取り組んだ内容 ・かくれんぼ(集団遊び)
・だるまさんがころんだ(集団遊び)
・むっくりくまさん(わらべうた遊び)

*子どもの様子 ・かくれんぼでは、園庭の遊具など隠れられそうな場所を子どもたち自身で探して隠れる事が出来た。
・見つかると鬼役の保育教諭と一緒に他児を探したりする。
・隠れる際は、声が聞こえないように「しー」と言いながら隠れたり、体を小さくして見つからないように工夫する姿が見られた。
・1番最初に見つかった子どもが次の鬼となる。数え終わると「もういいかい」と大きな声で聞く姿が見られた。
隠れている子どもも「もういいよ」「まーだだよ」と返事をしており、やり取りを楽しみながら遊びを行う事が出来た。
・体操前や夕方園庭に出ると「かくれんぼしよう」と子どもたち同士で遊びを提案し自分たちだけで遊びを進める姿も見られた。
・だるまさんがころんだでは、鬼が振り返ると止まるという事を前もって子どもたちに説明して行う。
・最初は“止まる”という事を理解出来ない子どもの姿が多く見られ、そのまま歩いたり動いたりしていた。その都度“止まる”と言うことを伝えながら行うと止まろうとする姿が見られるようになった。
・動きを止める際には、動いていたそのままのポーズをキープするのではなく、真っすぐに立ってから(直立不動の状態で)止まる子どもが多かった。
・繰り返し行う事で、ルールを理解し、鬼が振り返った時のポーズをキープしたまま止まる事が出来る子どもも多かった。
・むっくりくまさんでは、5月と同様に園庭で行う。園庭という事もあり、遊具や砂場に興味を示す子どもの姿が見られた。また、くま役になりたがり、泣いてしまう子どもの姿も見られた。再度ルールをしっかり説明して行う。
・数回行うとルールを理解し、歌を一緒に歌ったり、「くまさんおきて〜」とくま役の保育教諭に声を掛けて逃げるという事を楽しめるようになった。
・ルールを少しずつ理解出来るようになった頃には、子どもだけでくま役をして楽しめるようになった。周りの子どもたちも手を繋いで円になる事が上手になり、「いっしょにつなごう」と誘う姿も見られ、スムーズに行う事が出来るようになった。
 
≪U期≫
〇 8月
 
*取り組んだ内容
・ジュース屋さん(色水遊び)

*子どもの様子
・ペットボトルに入っている透明な水に絵の具を使って様々な色を付ける。
・透明な水が赤・青・黄に変化すると「あかにかわった」「これはあおいろ」等、色に興味を示す姿が見られた。また、赤・青を混ぜると紫に、赤・黄を混ぜるとオレンジに…等二種類を混ぜて色が変化する事に驚いたり喜んだりしていた。
・色が変化した事で「なんでなん?」と疑問に思い、保育教諭に質問したり、高月齢児は「いろかわったな」「おれんじになったな」と子ども同士で会話する姿も見られ“色の変化”に興味を示していた。
・色水遊びから展開してジュース屋さんごっこを行う。
・色をよく見て、ピンクだと“いちご”や“もも”、黄色だと“パイナップル”など、色を見て子どもたち自身でイメージしたジュースを選ぶ姿が見られた。
・最後には全員で乾杯をして終わるが、「同じ色だね」「かんぱ〜い」「おいしそう」など近くの友達同士で会話をする姿が見られた。
 
〇 9月
 
*取り組んだ内容
・配達ごっこ

*子どもの様子
・実際に帽子や鞄を身に付けて配達屋さんがイメージ出来るようにする。
・4つのグループに分けて行った。一回目は各クラスに手紙を配達する。
順番に取り組むため帽子や鞄を身に付けたいという気持ちから順番が待てずに泣いてしまう子どもの姿も見られた。“順番に”と言うことを十分に伝える。
・渡す際の「おとどけものです」「どうぞ」等という言葉は恥ずかしくてあまり伝えようとしなかった。
・2回目は保育写真を各クラスに届ける。1回目の時に比べて帽子や鞄を身に付ける事でのトラブルは無くスムーズに進める事が出来た。
・渡す際には「どうぞ」「しゃしんです」と伝えるなど、1回目に比べて言葉を相手に伝えようとする姿が見られた。
・普段の保育の中でも、雑巾や布巾を洗濯に行く際は、「おてつだいしたい」「はいたつする」と子どもたちから積極的に伝えに来てくれるようになった。活動以外の時間にも“配達屋さん”を楽しむ姿が見られるようになった。
 
〇10月
 
*取り組んだ内容
・だるまさんがころんだ(集団遊び)
・だるまさんの一日(集団遊び)

*子どもの様子
・前回の取り組み以外にも散歩に行った際には子どもたちから「だるまさんしたい」と提案し、繰り返し行っていたので、ルールを守って楽しめるようになっていた。
・鬼役になりたいと言う子どもは保育教諭と一緒に行った。「○○ちゃんうごいた」「○○くんも〜」と子ども同士で声を掛け合う姿が見られた。
・繰り返し行う事でルールを理解し「保育教諭が振り向いたら止まる」という動作を楽しんでいた。
・前回行った時よりも、子ども同士での関りが多く見られた。
・“だるまさんの一日”では、保育教諭が示す動き(だるまさんがジャンプした、だるまさんが座ったなど)を楽しんで体で表現していた。自分なりの表現をする子どもや他児の動きを真似して表現する子どもなど、様々であった。
 
〇11月
 
*取り組んだ内容
・糸電話
・ゆらゆら宇宙人:取り組めなかった

*子どもの様子
・糸電話という物がどんな玩具なのかを子どもたちに伝え、実際に保育教諭同士で糸電話 を使って会話すると「ほんとうにこえがきこえるの?」「なにをいっているの?」と興味 津々であった。 ・4つのグループに分かれて、1グループずつ廊下にて取り組む。
・糸をピンと張らないと相手の声が聞こえない事が分からずに相手に近付いて話そうとする姿も見られた。 ・2人組になり糸電話を使うと、その2人共が糸電話に耳を当てていたり、反対に話そうと口を付けていたりする。しかし、高月齢児はその事に気が付き、ペアの相手を見て口を付けて話そうとしていたら自分は耳を付けて聞こうとするなどして簡単な会話が出来る子どももいた。
・「すきなたべものはなんですか?」「すきなどうぶつはなんですか?」などの質問をし、その質問に答えてコミュニケーションを取る姿が見られた。
・低月齢児は子ども同士で行うのは難しく、保育教諭が言った言葉を反対側で聞く事を楽しんだ。
・糸電話は子ども同士だけで十分に楽しむのは難しく、低月齢児は特に一人につき保育教諭が一人付かないと遊ぶ事が出来なかった。中には子ども同士でコミュニケーションを
取る事が出来る子どももいたが、クラス全体で見ると、この年齢で行うのは難しかったと感じる。
・保育教諭が話す内容を、6人で聞き取る事にも挑戦する。
全員が糸をピンと張らないといけないので難しいようだったが、高月齢児は全員が聞き取る事が出来た。
・「きこえたね」「せんせい〇〇っていってたよ」「きこえた?」と子ども同士で会話する姿も見られた。
 
《V期》
〇12月
 
*取り組んだ内容 ・商店散歩
・物作り(おにぎり)

*子どもの様子
・商店散歩では2人組になり手を繋ぎ、列に並んで商店を散歩する。
散歩に行く前から、どんなお店があるのか見に行くという事を伝えると、「どんなお店があるのかな」と友達同士で会話する姿も見られた。 ・お店を見つけるたびに「ここは ぱんがうっているおみせ」「ここはおくすりがおいてあるおみせ」と近くにいる保育教諭に伝える姿や、手を繋いでいるお友達に声を掛けてやりとりする子どもがいた。
・自動販売機やポストがある事など、気付いた事を各々言葉にしていた。
・中には、どんなお店かが分からず、そのお店に何があるのかを見て想像した事を伝え合う様子も伺えた。きりんの人形が置いてあると「きりんさんのいえかな」などと発想豊かに会話を楽しんでいた。
・今回の商店散歩を通して、様々なお店が身近にある事を知った。次回の子どもたちで行うお店屋さんごっこにも期待を抱いているようであった。
・おにぎり作りでは、広告を丸めて作りたいおにぎりを作る。おにぎりの中に入れる具を様々な色の画用紙を用意しておき、子どもたちがその色を見てイメージして“具”を選べるようにした。赤色なら“梅干し”茶色なら“おかか”他にも水色なら“ソーダ”など、発想豊かにオリジナルのおにぎりを作る事が出来ていた。
・そのおにぎりを使ってピクニックごっこをする。レジャーシートの上に座り、お友達や保育教諭と「おいしいね」「なにあじのおにぎりですか」などと会話しながらごっこ遊びを楽しんでいた。中には「ちょっとちょうだい」と言って自分のおにぎりを分けてあげたり「のどかわいたね」と言って自分たちでお茶を飲んだりと、ごっこ遊びの世界に入り込んで楽しみ他児と関わる姿が見られた。
・今回作ったおにぎりはお店屋さんごっこで使用する為、一度集めておく事を伝える。
 
〇1月
 
*取り組んだ内容
・物作り(ピザ・ジュース・アイスクリーム)

*子どもの様子
・来月のお店屋さんごっこに向けて、みんなで食べ物作りをする事を伝えると、子どもたちも興味を示し、活動に期待を抱いている様子であった。
・ピザは丸や四角の台紙に、細かくちぎった画用紙(具)をのりで貼っていく。たくさんの具を貼って具だくさんのピザを作ったり、同じ色の具を乗せて作ったりと様々な種類のピザが完成する。
・のりを使用するが、隣に座るお友達に「いっしょにのりつかおう」と声を掛けたり、近くにのりが無い場合には「ちょっとのりかして」と言葉で伝え合う姿が見られた。
・ジュースはコップにカラーポリを入れて作り、アイスクリームは色画用紙を丸め、トイレットペーパーの芯にテープで貼り付ける。
・この際にも、使いたい色を見て、これが何味なのかを想像し製作に取り組む姿が見られた。同じ色を使っているお友達と「いっしょのあじやな」「これは〇〇あじやで」と会話して楽しんでいた。
・この時期には、高月齢児だけでなく低月齢児も同じように会話に参加するようになっていた。
・今回製作した食べ物を使ってお店屋さんごっこを楽しみに、期待に胸を膨らませる姿が見られた。
 
〇2月
 
*取り組んだ内容 ・お店屋さんごっこ

*子どもの様子
・お店屋さんごっこ1回目は、欲しい物を指さして「これ」と言ってジェスチャーだけで伝える姿が見られたが、買い物を繰り返していくと、「〇〇ください」と言葉で伝えられるようになっていた。 しかし、中には指さして欲しい物を伝えようとする子どももいたので保育教諭が「何味がいいですか」などと問い掛け、子どもの発言に繋がるようにする。
・商品をもらうと「ありがとうございました」食べた後には「おいしかったです」「ごちそうさまでした」と言ってお礼が言える子どもの姿が見られた。
・買ったものを食べるイートインコーナーを作ると「いただきます」「これどうぞ」「なにかったの」「かんぱい」など子ども同士でやりとりを楽しむ姿も見られた。
・買い物する際には順番に並ぶように伝えるが、早く買い物をしたい気持ちから順番を抜かしてしまったり、他児を押しのけて買い物しようとする姿が見られる。
・2回目・3回目になると「あいすくりーむください」や「りんごじゅーすください」など、言葉だけで欲しい物を伝えられるようになった。
・一人ひとつの財布を持ち、お金のやりとりを行う。初めはお金を払うことが嬉しく、一気にたくさんのお金を払ったりしていたが、少しずつ高月齢児を中心にお金を2枚渡して「2こください」と言う姿も見られるようになり、数を認識している姿も見られた。
・ジュース屋さんやアイスクリーム屋さんではお店に並んでる商品の色を見て赤色だったらリンゴジュース、緑色だったらメロンジュース、黄色だったらチーズ味のアイスなど子どもたち自身が想像して買いたいものをリクエストしていた。
・お店屋さんごっこが慣れてきた時にはお友達に「ぴざやさんいこう」と言って誘い合って一緒に買いに行ったり、たくさん買って「せんせいのぶんもかってきたよ」と渡してくれたりする姿が見られるようになった。
・お店屋さんとお客さんで役割を決め、子どもだけでお買い物ごっこを行うと「いらっしゃいませー」「なにがいいですか」「〇〇ください」「ありがとう」と子どもたちだけでやりとりを楽しむ姿が見られた。中には自分の役割が混乱し、立場が逆になってしまう子どももいた。
・お店屋さんごっこをした時には最後まで飽きる事なく、たくさん買い物をして楽しんでいた。またお店屋さんごっこが終わると、「たのしかったー」「もう1かいしたい」とリクエストする子どももいた。
・アトリエ工房のお店屋さんに参加した際は、いつもと違う雰囲気に少し緊張する姿が見られ、お部屋で買い物ごっこをする時のように欲しい物を言葉で伝えるのに抵抗がある子どももいた。しかし、少しずつ慣れてくると「せんせいみてー〇〇かったよ」と嬉しそうに買ったものを見せる姿が見られた。また、お店屋さんが終わると「くるまにのってはんばーがーたべたよ」「まぐろのおすしかったよ」と嬉しそうに話す姿も見られた。
※アトリエ工房…3・4・5歳児クラスがお店屋さんごっこの準備を、自分で製作するものを選択して行うカリキュラム
・お店屋さんごっこで子ども同士、たくさんのやりとりを楽しんだ事もあってか、お部屋のおままごとコーナーで遊ぶ際や園庭で自由遊びをする際にも、子どもたちでお店やさんごっこをする姿が見られるようになった。
 
〇3月
 
*取り組んだ内容 ・お店屋さんごっこ
・おつかいごっこ

*子どもの様子 ・今までは保育教諭に「ぴざかってきたよ」と持って来てくれていたのが、買いに行く前に「せんせいなにたべたい?」「なにあじがいい?」等やりとりをして、保育教諭が食べたい物を聞いてから、買いに行く姿も見られた。
・お店屋さん役の人に自分たちが製作した帽子を付ける事でお店屋さん役とお客さん役が把握しやすく、ほとんどの子どもが混乱する事なく役になりきってお店屋さんごっこを楽しんでいた。中には帽子をかぶったまま買い物をする姿もあった。
・お店屋さんごっこに慣れてきた事もあり、「もうそろそろしまりますよー」や「〇〇あじおすすめですよ」などお客さんが来るようにアピールする姿も見られた。
・お店屋さんの中でお金を受け取る人や商品を渡す人など子どもたちなりに役割分担をする姿も見られた。
・ピザを頼む時等に「さんかくのぴざ2つください」など以前よりも自分の食べたいものを細かくリクエトするなど買い物をする時のやりとりが多くなった。
・おつかいごっこでは、のんびりルームで待つ保育教諭(お店屋さん)の所までおつかいを頼むとリクエストした食べ物を覚えて、一人ひとつ買い物に行く事が出来ていた。中にはリクエストした物ではなく、自分の買いたい物を買ってくる子どももいた。
・以前よりもお店屋さんごっこのルールを理解し、お金を払い忘れている子どもに「おかねわすれてるよ〜」と教えてあげたり、買いに来る子どもに「うじろにならんでね」と言ったりと子どもたち同士で声を掛け合う姿が見られた。
・子ども同士の呼び掛けだけで、お店の前で順番に並んで待つ事が出来るようになっていた。
 

〇まとめ
4月当初は保育教諭やお友達とのやりとりも少なく、それぞれが個人で遊びを楽しんでいたが最近ではお休みの日の出来事をみんなの前で話したり、反対にお友達の話を聞く姿が見られるようになった。また、子ども同士で遊ぶ中で「かして」「いまつかってるからあとでね」と言ったやりとりも多く見られるようになった。
挨拶も今までは保育教諭から行っていたのが、保育教諭が挨拶する前に大きな声で「おはようございます」と言ったり、お友達が登園してくると「おはよう」と声を掛けに行ったり、散歩で地域の方に会うと積極的に挨拶をする姿が見られるようになった。
また、子どもたちもコミュニケーション遊びに積極的に取り組み「たのしかった」「もう1かいしたい」など自分の気持ちを表現する事が増えていたように思う。

コミュニケーション遊びとして、一年間子ども同士のやりとりがより豊かになるような遊びをたくさん取り入れてきた。それにより友達が困っていると「だいじょうぶ?」と言って手助けをしたり、泣いているお友達にティッシュを持って行ったり、自分より小さなお友達に靴下を履かせてあげたりとコミュニケーション能力が高まっているように感じた。
他児にも自分と同じように気持ちがある事を知り、思いやる心・優しい心も一緒に育っているように感じ、改めてコミュニケーションの大切さを学ぶ事ができた。